【体験談】産後1年で腹直筋離開に気づいた|女性の身体を学んできた私が自分の身体を見直した話
妊娠・出産をすると、女性の身体は大きく変化します。
私は看護師として産科・婦人科に関わる経験が長く、鍼灸師の資格も持っています。
仕事や勉強を通して女性の身体について学んできたので、妊娠や出産が骨盤底や腹部に大きな影響を与えることは、知識としては理解しているつもりでした。
ところが、自分自身が出産して1年。
「もう産後1年経っているし、身体もある程度戻っているだろう」
と、どこかで思っていました。
そんな時、これまで看護師や鍼灸師として学んできたことを女性の身体のケアに活かせないかと思い、理学療法士が開催する尿失禁ケアセラピストの講座を受講しました。
そこで思いがけず向き合うことになったのが、私自身の身体です。
講座の中で確認すると、
産後1年経っているにもかかわらず、腹直筋離開が残っていました。
さらに、呼吸が浅く、横隔膜の動きも小さくなっていることに気づきました。
女性の身体について学んできた自分でも、自分自身の身体の変化には気づいていなかったのです。
この記事では、産後1年で腹直筋離開に気づいたきっかけと、そこから私が呼吸や身体の使い方を見直し、実際に続けてきたケアについて紹介します。
※この記事は私個人の体験談です。腹直筋離開や骨盤底筋の状態、産後の回復には個人差があります。
この記事はこんな方におすすめ
- 産後のお腹や体幹の変化が気になっている
- 腹直筋離開という言葉が気になっている
- 産後の尿もれや骨盤底筋について知りたい
- 産後、自分の身体のケアが後回しになっている
- 忙しくても続けやすい身体との向き合い方を知りたい
この記事で一番伝えたいのは、
「産後のお腹をへこませるために筋トレを頑張った」という話ではありません。
自分の身体の状態を知り、呼吸や身体の使い方をもう一度見直した、という体験です。
女性の身体について学んできた私が、改めて学ぼうと思った理由
看護師として産科・婦人科に関わってきた
私はこれまで、看護師として産科・婦人科に関わる経験を重ねてきました。
妊娠、出産、産後。
女性の身体が大きく変化する時期を、仕事として身近に見てきました。
また、鍼灸師の資格も取得し、筋肉や身体の構造だけでなく、身体全体を見るという視点についても学んできました。
そんな中でずっと気になっていたことの一つが、骨盤底筋に関わる女性の悩みです。
妊娠・出産では骨盤底に大きな負担がかかります。
一方で、骨盤底に関する問題は産後だけではなく、年齢を重ねる中でも起こることがあります。
これまで自分が学んできたことを、そうした女性の身体のケアに活かすことはできないだろうか。
そう考えたことが、改めて学ぶきっかけでした。
人には言わなくても、尿もれに悩んでいる人はいる
尿もれは、とても人に話しにくい悩みだと思います。
外から見ても分かりません。
本人が、
「実は困っています」
と話して初めて分かることもあります。
「産後だから仕方ない」
「年齢だから仕方ない」
「これくらいなら相談するほどでもない」
と、誰にも話さずに生活している方もいるのではないでしょうか。
尿失禁は、本人の訴えとして捉えられる症状でもあります。
だからこそ、こちらから見ているだけでは分からない。
私はそこに、女性の身体のケアを学ぶ意味があると感じていました。
そして産後1年頃、理学療法士が開催する尿失禁ケアセラピストの講座を受講しました。
ところが講座で最初に見つかったのは、誰かの問題ではなく、私自身の身体の変化だったのです。
産後1年でも腹直筋離開が残っていた
講座の中で自分のお腹の状態を確認したところ、腹直筋離開が残っていました。
「え?もう産後1年なのに?」
というのが、正直な感想でした。
私は普通に生活していましたし、自分では「産後の身体はある程度戻っている」と思っていました。
女性の身体について学んできた経験もあります。
それでも、自分自身の腹直筋離開には気づいていませんでした。
この経験から、
知識があることと、自分の身体の状態をきちんと把握できていることは別なんだ
と実感しました。
腹直筋離開とは?
腹直筋離開とは、お腹の前面にある左右の腹直筋の間が広がった状態のことです。
妊娠中はお腹が大きくなるため腹壁が引き伸ばされます。
産後の経過には個人差があり、時間とともに変化する場合もあれば、離開が残る場合もあります。
ちなみに、腹直筋そのものは「インナーマッスル」ではありません。
私の場合は腹直筋離開があり、それと合わせて腹横筋や骨盤底筋、横隔膜など体幹の深い部分の使い方についても学び直すことになりました。
腹直筋離開だけではなかった|私の呼吸は浅かった
さらに講座の中で気づいたのが、呼吸です。
私はそれまで、
「普通に呼吸できている」
と思っていました。
当然ですよね。
毎日無意識に息をしているので、自分の呼吸が浅いかどうかなんて考えたこともほとんどありませんでした。
ところが身体を確認すると、呼吸が浅く、横隔膜の動きも十分ではありませんでした。
これも、私には大きな気づきでした。
骨盤底筋だけを締めればいいわけではなかった
「尿もれ対策」と聞くと、
骨盤底筋を締めるトレーニング
をイメージする方も多いかもしれません。
私も講座を受ける前は、骨盤底筋そのものに意識が向きやすかったと思います。
でも、講座で学んだのは、身体はそんなに単純ではないということでした。
呼吸に関わる横隔膜。
お腹の深層にある腹横筋。
骨盤の底を支える骨盤底筋。
これらは、それぞれ独立しているのではなく、呼吸や体幹の安定に関わりながら連動しています。
そこで私は、
「骨盤底筋を頑張って締めよう」
「腹筋を鍛えよう」
ではなく、
まず呼吸から自分の身体を見直してみよう
と考えるようになりました。
私が始めたのは「鍛える」より、まず身体を緩めること
腹直筋離開があると分かったからといって、私はいきなり腹筋運動を始めたわけではありません。
むしろ最初に意識したのは、
身体に入っている余計な力を抜くこと
でした。
まずはうつ伏せで、ゆっくり呼吸
寝る前、最初にうつ伏せになります。
そして、そのままゆっくり呼吸します。
私は身体に力が入りやすいタイプで、気づかないうちに全身が緊張していることがあります。
うつ伏せになって身体を布団に預けるようにしながらゆっくり呼吸すると、私の場合は少しずつ身体の力が抜けていく感覚がありました。
「何かを鍛える」
前に、
一度、身体を緩める。
私にはこの順番が合っていました。
※うつ伏せで呼吸すれば誰でも過緊張が改善する、という意味ではありません。これはあくまで私自身が感じた変化です。
身体が緩んだら、仰向けで呼吸する
うつ伏せで呼吸し、
「少し身体の力が抜けてきたな」
と感じたら、今度は仰向けになります。
そこで意識したのが、
横隔膜・腹横筋・骨盤底筋
です。
呼吸をしながら、
「横隔膜はどう動いているかな」
「お腹の奥はどう動いているかな」
「骨盤底は呼吸に合わせてどう動いているかな」
と、自分の身体に意識を向けました。
強く締めたり、
「10回×3セット!」
のように回数を決めたりはしませんでした。
ゆっくり呼吸する。
身体の動きを感じる。
また呼吸する。
それを繰り返していると……
いつの間にか寝ています(笑)。
これが私にはとても合っていました。
寝る前にそのまま寝てしまうくらいが、続けやすかった
産後は自分のための時間を取るのが本当に難しいですよね。
「30分トレーニングしよう」
となると、それだけでもハードルが高くなります。
でも私は、
毎日必ず布団には入ります。
そこで、
うつ伏せでゆっくり呼吸
↓
身体の力が抜けてきたら仰向け
↓
横隔膜・腹横筋・骨盤底筋を意識して呼吸
↓
そのまま入眠
という流れにしました。
特別な道具もいりません。
着替える必要もありません。
「今日は運動できなかった」
と考える必要もありません。
布団に入ったら、とりあえず呼吸してみる。
そのまま寝てしまったら、それで終了。
このくらいゆるかったからこそ、私は続けることができました。
続けていく中で、腹部の状態にも変化があった
呼吸を意識したからといって、翌日に腹直筋離開がなくなったわけではありません。
最初は、
「本当にこれで変わるのかな?」
と思うこともありました。
それでも、寝る前の呼吸を続けました。
そして数か月続けていく中で、自分で腹部を確認した際に、以前とは状態が変化していることを感じました。
私の場合は、呼吸や身体の使い方を意識する時間を作ったことが、自分の身体を見直すきっかけになりました。
ただし、ここで一番伝えたいのは、
「この呼吸法をすれば腹直筋離開が治る」
ということではありません。
私の身体の状態、産後からの経過、行ったケアによる一個人の体験です。
腹直筋離開の程度や回復過程には個人差があります。
この経験で一番驚いたのは「専門職でも自分の身体には気づけなかった」こと
私は看護師として産科・婦人科に関わってきました。
鍼灸師としても身体について学びました。
それでも、
産後1年経っても腹直筋離開が残っていること。
呼吸が浅くなっていること。
横隔膜の動きが小さくなっていること。
には、自分では気づいていませんでした。
考えてみれば、自分の身体は毎日一緒にあります。
少しずつ変化していると、その状態がいつの間にか「普通」になってしまいます。
だからこそ、
自分の身体を知っているつもりにならないこと
は大切なのだと思いました。
産後だけでなく、女性の身体は変化していく
今回のきっかけは「産後」でした。
でも、女性の身体の変化は産後で終わるわけではありません。
年齢を重ねる中でも、身体は変化します。
だから私は、
「産後の身体を元に戻す」
という考え方だけではなく、
その時の自分の身体を知り、必要に応じて整えていく
という視点を持つようになりました。
妊娠前と全く同じ身体を目指すのではなく、
「今、呼吸はどうかな」
「力が入りすぎていないかな」
「身体に違和感はないかな」
と、ときどき自分に目を向けてみる。
それだけでも、自分の身体との付き合い方は変わると思っています。
産後のお腹や尿もれが気になる方へ
産後、
「お腹が戻らない」
「尿が漏れることがある」
「身体に力が入りにくい」
と感じても、
「産後だから仕方ないかな」
とそのままにしている方もいるかもしれません。
また、産後ではなくても、年齢を重ねる中で尿もれなどに悩んでいる方もいます。
こうした症状は、人にはなかなか相談しにくいものです。
でも、困っているのであれば、一人で我慢し続ける必要はありません。
腹直筋離開や尿失禁、骨盤底筋の状態などが気になる場合は、産婦人科や泌尿器科、理学療法士など、適切な専門家に相談するという選択肢もあります。
特に、
- 痛みがある
- 尿もれなどで日常生活に困っている
- 腹部の膨らみなどが強く気になる
- 自分で運動していいのか分からない
- セルフケアをしても症状が続く
といった場合は、自己判断だけで無理にトレーニングせず、一度専門家に相談することをおすすめします。
まとめ|産後1年、自分の身体を知り直すところから始まった
私は女性の身体について学んできました。
看護師として産科・婦人科に関わり、鍼灸師としても身体について学んできました。
そして、自分自身も妊娠・出産を経験しました。
これまでの学びを女性の身体のケアに活かしたい。
そう思って受講した尿失禁ケアセラピストの講座。
そこでまず気づかされたのは、自分自身の身体の状態でした。
産後1年でも残っていた腹直筋離開。
浅くなっていた呼吸。
十分に動いていなかった横隔膜。
そこから私は、
「腹筋を鍛える」
「骨盤底筋だけを締める」
のではなく、
まず身体を緩め、呼吸し、横隔膜・腹横筋・骨盤底筋の動きを感じる
ところから始めました。
寝る前にうつ伏せでゆっくり呼吸し、その後仰向けになって身体に意識を向ける。
そして、いつの間にかそのまま眠る。
私にとっては、このくらいのケアがちょうどよかったのだと思います。
この経験を通して感じたのは、
女性の身体について学んできた私でも、自分自身の身体の変化には気づけなかった
ということです。
産後だから。
年齢だから。
忙しいから。
と身体の変化をそのままにするのではなく、ときどき「今の私はどうかな?」と自分の身体に目を向けてみる。
私にとって腹直筋離開は、単に「産後のお腹を元に戻す」ための問題ではありませんでした。
自分の身体を知り直し、これからどう付き合っていくのかを考えるきっかけになった出来事でした。

